BANAKANA COFFEEは「スペシャルティコーヒー専門店」と掲げている。
でも、最初からそうだったわけじゃない。むしろ、途中で大きく方向転換した。
今日はその理由を書いていく。
本記事の目次
きっかけは、LIGHT UP COFFEE

私がスペシャルティコーヒーを初めて飲んだのは、現在東京都に3店舗のお店があるLIGHT UP COFFEEというスペシャルティコーヒー専門店。
ここを知ったのは、このお店の代表の川野 優馬さんがYouTubeをやっていて、それをよく見ていたことがきっかけだった。動画を見ながら様々なことを学んでいるうちに「コーヒーを飲みに行ってみたい」と思うようになった。
このお店自体はBANAKANA COFFEEを始める前から知っていたが、実際に行ったのはBANAKANA COFFEEを始めてから。
もともと気になってはいたものの、自分自身でコーヒー豆を販売するようになってから
「自分の豆と、スペシャルティコーヒーの豆は、どれくらい違いがあるのか」「お店はどんな雰囲気なのか」を知りたくなって、初めて訪問した。
その時に飲んだのは、エチオピアのスペシャルティコーヒー。それまで浅煎りのコーヒーに対して苦手意識があった。
でも、LIGHT UP COFFEEのコーヒーを飲んでみると、全然違った。それまでに感じたことのないフルーティーな味わいだった。
「美味しい浅煎りの酸味はフルーティーなんだな」とこのとき感じた。
そして、「この浅煎りなら、自分でも飲めるな」と思った。これが、スペシャルティコーヒーとの最初の出会いだった。
平日のOPEN時間に合わせて行ったこともあり、他のお客さんがいなかったので、店員の方も気さくに話しかけてくれた。コーヒーももちろん美味しいけれども、お店自体、雰囲気なども含めてすごく素敵なお店だなと思った記憶がある。
またこの時に飲んだコーヒーは浅煎りだったが、コーヒー自体もとても美味しく、それと同時にこのスペシャルティコーヒーのクオリティの高さ、それから焙煎によって変わる美味しさというのを自分でも表現したいと思った。
当時は中間グレードの豆を販売していた

2025年1月以前にBANAKANA COFFEEで扱っていたのは、スペシャルティコーヒーよりもランクは下の豆だった。
ただ、カルディやコンビニで飲めるようなコーヒーに比べると、ランクは上。スペシャルティコーヒーほどではないが、割といい豆を扱っていた。
仕入れていたのは、松屋珈琲というコーヒーの卸。ネットで調べて、種類がたくさんあって、かつ値段もリーズナブルなのに質は高いというところで選んだ。
最初に選んだ豆はブラジル。理由はシンプルで、「コーヒー=ブラジル」というイメージがあったから。みんなが飲み慣れているであろうブラジルからスタートして、「飲み慣れているブラジルが美味しい」と感じてもらえれば、普段飲んでいるブラジルとも比較しやすいかなと思った。
でも、一つ大きな問題があった。
それは、飲んでもらうまで品質の高さが、お客さんに伝わらないということ。
カルディよりランクは高いけど、なぜ値段が高いのか説明しづらい。
「豆のランクは高い」と言っても、お客さんからすると「何が違うの?」が分からない。
結果として、他の豆と比較したときの差別化の表現をうまくすることができなかった。
2025年1月、スペシャルティ専門店へ

悩んだ結果、2025年1月から全てのコーヒー豆をスペシャルティコーヒーに入れ替えて、スペシャルティコーヒー専門店とした。
理由は様々にあるが、一番の理由は、
スペシャルティコーヒーの方が、差別化がつけやすいから。
うちはスペシャルティコーヒー専門店です、ということで、それだけでいいコーヒー豆を使っているということが一目で理解できる。
今まで扱っていた豆は、カルディよりもランクは高いけど、それを明示することができなかった。でも、スペシャルティなら、その価値が分かりやすい。
これが、切り替えの決め手だった。
スペシャルティへの切り替えと、パッケージ刷新

スペシャルティコーヒーにコーヒー豆を全て変更したタイミングで、コーヒー豆を入れるパッケージも一新した。
スペシャルティコーヒーになると、今までと比較しても価格はどうしても高くなってしまう。そうなったときに、せっかく良いコーヒー豆を購入してもらうのであれば、パッケージなどもいいものを利用して長い期間繰り返し使えるパッケージに変更することでより質を担保することを導入した。
パッケージもランクが上がり、コーヒー豆もランクが上がる。こうするとトータルの価格は上がってしまうので、今までのお客さんが離れてしまうかも…と、少し考えた。
ただし、BANAKANA COFFEEを長く続けることを考えたときに、長期で考えればここでの変更は必要であると判断してこの決断をした。
スペシャルティコーヒー専門店としてやっていくと決まった後は、当然スペシャルティコーヒーの良さを一番感じられる焙煎をしなくちゃいけない。そこで、焙煎の研究を進めていった。
スペシャルティコーヒーの良さを出すために、もともとの焙煎度よりも少し浅煎りに寄せた。もちろん焙煎には好みもあるが、私の中で一番ベストな焙煎度は何なのかを日々研究している。今この瞬間も研究を続け、これからもより美味しいものにしていきたい。
ちなみに、BANAKANA COFFEEで一番人気なのは圧倒的にブラジル。他の店舗では深煎りで焙煎されることが多いが、うちは浅煎りに寄せている。そのため、今までブラジルを気に入ってくださっていたお客さんが満足してくれるか、正直不安があった。
ただ、焙煎度を調整することで、ブラジル特有の良さは残しつつ、スペシャルティコーヒー豆の特徴も感じられる豆になっていると思う。結果として、スペシャルティコーヒー専門店に切り替わった後も、一番人気は変わらずブラジル。
ちなみに知っている方も多いと思うが、現在コーヒー豆の値段がとても高騰している。
当然、仕入れコストが上がっている。
スペシャルティコーヒーに関しては、この高騰より前から値段が上がっていたので、通常ランクの豆よりも更に高騰している。
当然値段を据え置きすれば利益が減る。
でも、ここはもう決めていた。BANAKANA COFFEEは遊びでやっているわけでもないし、自分の利益を取らずに我慢して値上げをしないというのは考えていなかった。もちろん、極力原価を抑える工夫はしている。でも、それでも回収しきれない場合は、商品価格を上げる決断をしている。
ここは先ほども書いたが、BANAKANA COFFEEを長期で継続していくためには、仕方がないことだと思っている。
豆を変更後もお客さんは離れなかった

本当にありがたいことに、スペシャルティコーヒーに切り替える前に飲んでくださっていたお客さんは、今までのコーヒーも美味しかったからという、ある意味信頼をしていただき、スペシャルティコーヒーに変わった後も愛用していただく方が多かった。
売り上げとしても、2025年は2024年に比べて売上比で140%くらいアップしている。まだまだBANAKANA COFFEEを始めて3年目なので、元々の母数が少なかったから当たり前かもしれないけど、そこはキープできているかなと思っている。
新規のお客さんは、まだまだ少ない。
BANAKANA COFFEEはリピートの方に支えられている。
ただ、2025年12月にやったフォロワーに対する半額クーポンで、初めて買ってくれた方がかなり多くいらっしゃった。
ここで買ってくれて飲んでくれた方が、どういうふうに感じてくれて、その結果としてリピーターとしてついてくれるかどうか、というのはこれから分かるところかなと思っている。
お客さんからの質問や感想で、印象に残っているものがある。
それは、「コーヒー苦手だった家族が、これなら飲める!」という声。
今までコーヒーが苦手で買わなかった人が、試しに一口飲んでみる?って言って飲んで、「これは美味しいから飲める」と言ってくれたり、そういう話が何件かあった。
普段飲んでいるコーヒーとは、もちろん値段も違う。でも、「コーヒー=美味しくない」と思っていた方が、「コーヒーって美味しいんだ」と思ってくれた。
そういう声を聞くと、「ああ、やっててよかったな」と思うし、これからももっともっと美味しいと思ってもらえるような焙煎や豆の用意を、心を込めてやりたいなと思った。今まで心を込めて丁寧にやってきてよかったな、とすごく感じた。
今、一番大切にしていること

スペシャルティコーヒー専門店として、今一番大切にしているのは、丁寧にやること。
お店をやっている以上、丁寧にやることは当たり前に思えるかもしれない。でも、なかなか意識しないとここがおろそかになってしまうと思っているので、ここは常に意識をしてすごく大切にしているところ。
分かりやすいところで言えば、ハンドピック。焙煎前後でハンドピックをしている。
もともとスペシャルティコーヒーなので、欠点豆は非常に少ない。でも、それでも稀にある欠点豆に対しては、取り除く作業を焙煎前と焙煎後で行っている。
おそらく、例えば10キロや20キロといった量で1回の焙煎ができるような大きい焙煎所だと、ここは難しいんじゃないかなと思う。どうしても数が多くなってくると、すごく難しいと思うので、ここは小さい焙煎所だからこそできる対応かなと思っている。
そして、丁寧にやるということは、リピーターに対してもすごく重要。
いつも買ってくれるお客さんだからこそ、気を抜かずにしっかりと丁寧にする。前回飲んだよりも美味しいかも、と思ってもらえるように、常に勉強し続けないといけないと思っている。
そういったところは、今後も続けていきたい。
これから届けたい人

今後、BANAKANA COFFEEを届けたいのは、やっぱり新規のお客様。
まだまだ知名度もほぼほぼないBANAKANA COFFEEだから、そもそもBANAKANA COFFEEを知らない人がほとんど。やっぱりそういう人たちにも知ってもらいたいし、一度手に取ってもらいたいし、一度飲んでみてもらいたい。
そして、もう一つ忘れてはいけないのは、今BANAKANA COFFEEがこうやってやれているのは、今まで買ってくれたお客様、リピートしてくれているお客様のおかげだということ。
新規のお客様に目を向けつつも、今まで買ってきてくれている既存のお客様に対しても、まず当たり前だけど丁寧に。そして勉強し続け、より美味しく焙煎できるように、美味しいコーヒーが届けられるように日々勉強しながら、前回買った時よりもなんか美味しいなって思ってもらえるように、そういうふうに努力をしていきたいと思っている。