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【お知らせ】焙煎機の部品交換のため、次回の発送は8月上旬予定です。
部品が外れた焙煎機を前に、どうしようかと考え込んでいる人のイラスト

焙煎機が壊れたので、次の焙煎機を本気で検討してみた話

7月10日の話。いつものように焙煎を終えて、豆を冷却に移して、さて次の豆を入れようかなと思ったら、焙煎機のドラムがポロっと取れた。豆を入れて回転する、焙煎機の心臓部みたいな部分。正確にはドラムの接続部が壊れてしまって、今は部品交換の手配をして、部品が届くのを待っている(この顛末は、また別の記事で書こうと思う)。

実は、焙煎機をどうにかしたいという気持ちは前からずっと頭の中にあった。ただ「お金もかかるし、もう少し今の焙煎機で頑張ろうかな」と思い続けて、なんとなく先送りにしてきた。それが今回の故障で、なんとなく考えていたことを、本気で考えなくちゃいけなくなった。

「なぜ買い替えたいのか」「何を求めているのか」「何が壁になっているのか」。自分の頭の中を整理するためにも、一度書き出してみようと思う。

これまでの焙煎機の遍歴

最初は1万4千円の手回し式からスタート

直火の上の小さな手回し焙煎機のハンドルを回しながら、豆の様子を見ている人のイラスト

BANAKANA COFFEEの焙煎は、手回し式の焙煎キットからスタートした。アウベルクラフトの珈琲焙煎キット(Lタイプ)というもので、価格は14,200円。買ったのはお店を始める前の2022年11月末。直火にかざしながら、ひたすらハンドルを回し続けるスタイルのもの。

豆の状態を目で見ながら焙煎できるのは良かったし、何より安い。自家焙煎を始めるにあたって「とりあえずはこれで」という形でスタートした。

手回しは、とにかく「動けない」

カセットコンロの上で網の手回し焙煎器を回し、タイマーとガス缶を気にしながら焙煎する人のイラスト

ただ、実際にやってみると想像以上に大変だった。1回の焙煎は100g程度で約20分。この20分間、手を離すことができない。

火の前から動けないから、トイレにも行けない。カセットガスを熱源にしていたから、「あとどれくらい持つかな」とガスの残量とにらめっこしながら回す。もし途中でガスが切れたら、その焙煎は台無し。そして何かあって手を離したら、その瞬間に焙煎失敗が確定して、やり直しになる。だから体力だけじゃなくて、神経もずっと使い続けることになる。

網でできているから、何時間もやると本体も周りもめちゃめちゃ汚れるし、匂いも残る。単純に、ずっと回し続けるのは手もめっちゃ疲れる(熱さは意外と平気だった)。

1回だけならいい。でもお店を始めて注文が重なると、これが何時間も続く。焙煎中は梱包も発送準備も何もできないから、効率も悪い。結論、注文数が増えるにつれて「手回しでは無理だ」とわかった。焙煎を始めて2ヶ月くらいの出来事だった。

半自動の焙煎機に替えて、世界が変わった

そこで2023年2月、今使っている半自動の焙煎機(Behmor 2000AB Plus)に買い替えた。価格は10万円弱。当時の規模からすると安い買い物ではなくて、「回収にどれくらいかかるかな」とは正直思ったけど、これは必要投資だと判断した。

豆を入れて、設定をして、スタートを押せば焙煎が始まる。途中で多少の操作は必要だけど、基本的には手が離れる。

これが本当に大きかった。焙煎中に梱包や発送準備といった他の作業が並行してできる。ちょっとその場を離れることもできる。「ずっとその場で回し続ける」という消耗がなくなって、めっちゃ楽になった。

項目スペック
焙煎量(最大)400g
実際の使用量(品質安定のため60%)約240g
焙煎時間の目安約30分
重量9kg
価格85,800円(販売終了)

卸が始まって、時間の問題が深刻になった

1回の焙煎で220g、30分かかる

今の焙煎機は1回の焙煎量が最大400g。ただ、焙煎の品質を安定させるには最大容量の60%程度に抑えるのがちょうどよくて、実際には1回240gで焙煎している。焙煎すると豆の水分が抜けて重さが15%ほど落ちるので、出来上がりは約220g。

BANAKANA COFFEEの通常の豆は1袋150g。つまり1回30分の焙煎で、商品にして約1.5袋分。この焙煎量が、今の課題の中心にある。

毎年恒例の年末の半額セールでは、焙煎だけで20時間以上かかっている。とはいえ普段の注文は(今のところ)そこまで多くないので、年に1回の20時間なら祭りみたいなもので、むしろ楽しめていた。

ただ最近、ありがたいことに卸売りが始まって、状況が変わった。一定量をまとめて用意する必要が出てきた。

朝5時から夜10時まで焙煎して、それでも終わらない

まとめて焙煎する日は、朝5時に焙煎を始めて、夜10時くらいまでずっと焙煎している。半自動だから合間に隙間時間はあるけど、その時間でさっさとご飯を食べて、焙煎しながら他の工程を進めて、また次の焙煎、の繰り返し。1日があっという間に終わる。

それでも1日では終わらないから、大体2日に分ける。1日目に朝5時から夜まで焙煎して、2日目の午前中でようやく終わる、くらいの量。

年1回だった20時間の祭りが、月1回以上行われることになった。祭りも、ここまで頻繁だと祭りではなくなる。

焙煎以外にもやることがたくさんある中で、焙煎だけで1日が終わる日がある。時間の使い方として、これはあまり良い状態ではないと思っている。そして、BANAKANA COFFEEをこれ以上規模化していくなら、この焙煎機では無理。焙煎機を本気で考えるタイミングが来た。

次の焙煎機に求める3つの条件

容量は1kg以上

卸なども加味すると、最低でも今の倍以上の量を1回で焙煎できるようになる必要がある。焙煎機は、焙煎できる量が増えるほど本体の価格も高くなる。それを考えると、次の焙煎機は1kgクラスが現実的になる。

1回の焙煎時間が今より短いこと

容量が増えても、1回に1時間かかるようではトータルの時間効率はあまり変わらない。容量が増えて、かつ1回の時間も短くなれば、焙煎にかける時間を大幅に減らせる。今の30分より短く。そのためには焙煎機自体のパワーが必要で、当然、価格も上がる。

設置型ではなく、移動できること

BANAKANA COFFEEの焙煎は自宅の一角を使っているので、ずっと同じ場所に焙煎機を設置しておけるわけではない。現実的に動かせる重量である必要がある。

ちなみに、業務用の焙煎機で一番有名どころのフジローヤルの1kg焙煎機(R-101)は、熱源がガス式で重量45kg。本格的で憧れはあるけど、自宅の一角で使うには現実的じゃない。

大本命はAillio Bullet R2 Pro

条件で絞ったら、ほぼ一択だった

1kgクラスで、焙煎時間が短くて、動かせて、家庭の環境で使える。条件を整理して調べていくと、現実的に導入できるのはAillio Bullet R2 Proくらいしかなかった。逆に「これ以外にある?」という感じだった。

現在の焙煎機
(Behmor 2000AB Plus)
Aillio Bullet R2 Pro
焙煎量(最大)400g1,200g
実際の使用量(品質安定のため60%)約240g約720g
焙煎時間の目安約30分今より大幅に短縮(現在の1/3〜1/4程度)
重量9kg16kg
価格85,800円(販売終了)944,300円

使っている人が多くて人気があるのも大きい。焙煎スピードも申し分ない。今の焙煎機からのステップアップとして、ちょうどいい。

それと、今どきだなと思ったのが、パソコンとつないで焙煎をコントロールできて、焙煎の記録も取れるところ。他の人の焙煎データを見ることもできるらしい。焙煎の引き出しが増えて、自分の焙煎の幅も広がりそうで、ここは純粋に面白そうだと思っている。

問題は、ざっくり100万円という価格

Aillio Bullet R2 Proの導入には、ざっくり100万円かかる。高い。。。少し前はもう少し安かったんだけど、ここ最近の値上がりの波をしっかり受けて、2割ほど高くなった。

BANAKANA COFFEEは小さなコーヒーブランドなので、資金力はない。そんな中でこれだけの金額の設備投資をするには、回収できる見込みが必要になる。

2台体制も考えてみた

2台の小型焙煎機を前に、焙煎データの資料を見ながらどうするか悩んでいる人のイラスト

発想を変えて、今の焙煎機にもう1台追加して、2台同時に回すというアイデアも考えた。1台あたりの容量は変わらないけど、同時に2台回せれば、焙煎にかかる時間を半分に近づけられる。

ただ、今の機種を調べたところ、すでに販売終了になっていた。同じものをもう1台、という選択肢は最初から消えた。近いサイズ感の現行品として調べたのがSandbox Smart R2。最大550gまで焙煎できて、スマホのアプリで操作できるタイプで、価格は337,000円。Aillio Bullet R2 Proと比べれば安い。けど、高い。。

現在の焙煎機
(Behmor 2000AB Plus)
Aillio Bullet R2 ProSandbox Smart R2
焙煎量(最大)400g1,200g550g
実際の使用量(品質安定のため60%)約240g約720g約330g
焙煎時間の目安約30分今より大幅に短縮(現在の1/3〜1/4程度)
重量9kg16kg12kg
価格85,800円(販売終了)944,300円337,000円

それに、値段だけの問題でもない。機種が違う焙煎機を2台使うと、同じ豆・同じ設定で焙煎しても、熱の入り方の違いで仕上がりが変わってしまう。新しい豆をやるたびに、焙煎機ごとの調整も必要になる。焙煎の品質を揃える難しさを考えると、2台体制はなかなか大変そうだ。

副業の設備投資として、どう考えるか

電卓とノートで焙煎機の投資回収を計算している人と、卸売り用の豆袋や書類のイラスト

回収は「売上」じゃなくて「利益」で考える

100万円の設備投資をするなら、回収できる見込みが必要だと思っている。そのときに見るのは、売上じゃなくて利益。今の毎月の売上が継続すれば、これくらいの期間で回収できるかな、という目処は実は立っている。

卸の売上をあてにしない

ただ、卸はまだ始まったばかり。ありがたい話だけど、この先もずっと継続してもらえるかはわからないし、先方がもっといい豆屋さんを見つける可能性だってある。卸の売上ありきで100万円の投資を決めるのは、危険だと思った。

だから回収の計算は、卸以外の売上で考える。そう考えると、今すぐ飛びつくんじゃなくて、もう少しBANAKANA COFFEEとしての資金をちゃんと確保した上で購入したい、というのが正直なところ。

個人事業主向けの補助金も調べている

それと並行して、個人事業主向けの補助金が使えないかも調べている。まだ調べている段階だから断定はできないけど、もし使えれば自己負担をだいぶ抑えられそうで、そうなると導入はかなり現実的になってくる。資金を貯めながら、この準備も進めていくつもり。

おわりに — まだ答えは出ていない

方向性としては、Aillio Bullet R2 Proが大本命。買うなら、資金を貯めながら補助金を狙うのがいいと思っている。ただ、何がベストかは、正直まだ考えている最中だったりする。

それでも、こうやって書き出してみると、「いつか大きい焙煎機にしたいな」という漠然とした気持ちが、「何が必要で、何が壁なのか」まで、だいぶはっきりした気がする。

BANAKANA COFFEEはECサイトでの販売がメインで、お客さんと対面で会う機会がほとんどない。だからこそ、こういう場所で、どういう人が、どういうことを考えながらやっているのかを知ってもらえたら嬉しい。

そして、副業でお店をやっている人や、これからやってみたい人にとって、設備投資との向き合い方の一つの例として「へぇ、こんなふうに考えてるんだな」くらいに見てもらえたら、それも嬉しい。状況も規模も人それぞれだから、そのまま参考になるかはわからないけど、個人でやっているからこそ、その都度の状況に合わせて考えて、やりたいことを形にしていきたいと思っている。

焙煎機がどうなったかは、また改めて書きます。

BANAKANA COFFEEのコーヒー豆は banakana-coffee.com で販売中です(焙煎機の部品交換のため、次回の発送は8月上旬を予定しています)。